「歯周病」の新しい呼び方を考えます!!

「虫歯」という名前を考案した人物に、

心からの賛辞を送りたい。

歯に菌が溜まり、痛みや穴、出血を引き起こすアレを、
「虫歯」と形容するセンスには脱帽脱糞脱脂綿である。

罹患者の恐怖を刺激し、早急な治療を促すに足るネーミングだ。

コピーライターに憧れる若者は、
この「虫歯」のようなネーミングセンスを手本にするがいい。

まず、世の中の大半(特に女子)が「虫」を毛嫌いしているという点に着目し、
それを口の中にある「歯」と組み合わせるという攻めの姿勢を高く評価する。

もし口の中に虫が居たら、と考えると恐ろしいだろう。
虫歯という現象はそれに匹敵する恐ろしさなのだ、
というメッセージが「虫歯」という言葉には込められている。

スタバで蛾が飛んできただけで大騒ぎするほど虫が苦手なくせに、
虫歯を放置している女子高生はダブルスタンダードだ。

いますぐ歯医者に直行するのか、
全ての歯を抜いて代わりにテントウムシを詰め込むのか選ぶがいい。

さて、このたび虫歯について言及したのは他でもない。
歯周病の恐ろしさを喚起するためだ。

歯周病」は虫歯とは異なり、
歯そのものではなく歯茎の疾患である。
酷くなると悪臭や出血を伴い、
最悪歯がポロリと抜け落ちるなど、
その恐ろしさは虫歯に引けを取らぬと言っていいだろう。

しかし、勘のいい読者はお気づきかと思うが、
歯周病」というネーミングはいささかインパクトに欠ける。

「虫歯」を恐れる子供は枚挙にいとまがないが、
歯周病」を恐れる子供が果たしているだろうか。
もし居たら、お前はおっさんか!と突っ込みたくなりそうだ。

しかし幼少期に歯周病の恐ろしさを植え付けられないがために、
大人になって歯周病のリスクを舐めている大人は多い

まあ虫歯にならなければとりあえず大丈夫っしょ、
という気持ちが心のどこかにないだろうか?

そのため、歯周病」は改名が必要である。
「虫歯」に負けず劣らず罹患者の恐怖を刺激し、
予防・治療の衝動を喚起するに足る新しい名前を。

前述の通り、「虫歯」という言葉の構造は

「口の中にあったら嫌なもの」+歯

という風になっている。

この原則に準拠すると、

「口の中にあったら嫌なもの」+歯茎

というプロセスを経ることで、
歯周病」を改名することが出来るはずだ。

もちろん「虫歯茎」でもかなり気色悪さの演出に成功しているが、
やはり二番煎じだと伝わるものも伝わらない恐れがある。

ここは、「虫」以外で口の中にあったら嫌なものを幾つか挙げ、
その中で最も歯茎と組み合わせて語感の良くなる言葉を採用するとしよう。


①キリン歯茎

②スパンコール歯茎

③満腹時のラーメン次郎歯茎

④不発弾歯茎

⑤おてんば歯茎

寄生虫アニサキス歯茎

⑦お香典歯茎

⑧ポルシェ歯茎

イエス・キリスト歯茎

⑩ありありむにむに歯茎


問題設定の重大な欠陥にお気づきだろうか。
そもそも、食べ物以外のものが口の中にあったら、ふつう嫌だ。
あまりに多すぎる選択肢が、意思決定の障害となっているのではないか?

しかし、選択肢がありすぎるときは直感に従うのが吉だ。
上記10項目を歯周病の新しい名前の候補者とし、
厳正な審査により選考を進めていく所存である。

ツイッターでアンケート取りたいけどフォロワー一人もいない…